イタズラ(松山冴花) ― 2014/07/01 09:01
夏に教えていたFestivalでヴァイオリンコーチは私とAちゃんと彼女の兄、R君3人です。
そのR君、楽器の調子が良くないと言って一晩、調節の為Festivalから抜けました。
真面目なR君になにかいつもより意地悪してやろうとAちゃん、Aちゃん夫J君と私で緊急会議。普段脳みそ使う事は面倒な私でもこういう事に関しては悪知恵いっぱい。生憎R君の部屋にはロックがかかっており彼の部屋の中には入れない。それとお金を使いたくないので身近な物で。
思いついたのが滞在している寄宿舎に山のようにある安いペラペラのトイレットペーパー。
3人がかりで彼のドアの上からトイレットペーパーを貼ってのれん作り。下の方はセロテープで床に固定。Aちゃんは凝って横にもトイレットペーパー使って編み編み状態に。J君はまだそれでも足りず鍵が入る所をトイレットペーパーで塞いでまたその上から破りにくいセロテープ張り。R君が怒らないようトイレットペーパー暖簾の上から’お帰りなさい!’というポスターも貼って完璧。
でも次の日R君が戻ってくる時間は私達全員教えてる。R君の表情がどうしても見たいのでAちゃんに録画カメラ持ってない?と聞くとさすが彼女、持っている。カメラを見つかりにくい所に設定し期待と面白さで興奮気味の私はその夜ほとんど眠れず。
次の日授業中R君からテキストが:“素敵なプレゼントどうもありがとう。カメラも見つけました”。
授業終わり次第大急ぎでR君の所へ。私達が心配なのはバレたカメラは彼が差し込めない鍵穴に鍵を入れる前か後か。幸いアフターだったので安心して皆でビデオ鑑賞。
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R君登場。
R君:…っえ…?
R君呆然。
R君再起動。ドアの前に行き上下みて放心状態。しゃがんでトイレットペーパーを触ってどうなってるのかお勉強。
R君、起立。
大きなため息。
鍵を取り出しまさに鍵を差し込む直前に鍵穴の異変状態に気付く。
R君:っちょっ…はあ?なにこれ!
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私達は録画を見ている最中ずっとクックッ笑っていたのが最後の一言で大爆発。R君、呆れていたけど私達が彼の事を思ってやったって事で少々感謝。その後一週間はトイレットペーパー暖簾を外さず。でも流石一週間も経つとヨレヨレでみすぼらしくなったので強制的に彼に外させました。
フルート荒川洋より〜せんくらにむけて〜 ― 2014/07/02 09:31
こんにちは。今日から担当のフルートの荒川洋です。
僕がこれまでリリースしたCD「フレンチコンポーザーズ」「インストゥルメンタル・カラーズ」を聴いてくださっている方々にはいつも感謝申し上げます。
ハードワークでしたが、この文章を書くと、もうせんくらの公演が近づいてきたんだなと感じます。
せんくらで皆さんにフルートの公演を聴いてもらえるのを本当に楽しみにしています。
現在は新日本フィルハーモニー交響楽団の公演が続き、ダニエル・ハーディング指揮のブラームスの交響曲1、3、4番とヴァイオリン協奏曲、ピアノ協奏曲の数公演を終えたところ。
最後の公演の地、サントリーホールでの余韻が残っています。
ハーディングの音楽センスと洞察力は、聴衆を魅了する新しいエッセンスが備わっていて、聴く人の心を揺さぶります。
そして探求心の尽きない精力的な指揮者です。ただしこちらへの要求も多く、大変なエネルギーも使います。
僕の方は今回の公演から、フランス・パリの楽器「ジャルデ」を使用しています。
巻き管銀で、1960年代に作られたようで、ジャック・レフ(JackLeff)が当時工房にいたときにつくった楽器だそうで、非常にバランスの良い素晴らしい音色がします。
評判も良く、ブラームス交響曲4番の4楽章のソロでも、ハーディングからも素晴らしかったとのお言葉をいただきました。これからもどんどん音色の探求がはじまります。
皆さんも是非オーケストラの現場にも足を運んでみて、聴いてみていただけるとうれしいです。
演奏会の終わった日にはとりあえず自分にささやかなご褒美。ワインで心を癒します。
ピアニスト干野宜大さんから教えてもらったハンガリーのワイン、エグリ・ヴィカヴェール(Egri Bikavér)を手に入れて飲みました。
“雄牛の血”と呼ばれる赤ワインですが、本当においしいです。皆さんもお試しを。
旅芸人(荒川洋) ― 2014/07/03 09:15
こんにちは。フルート奏者の荒川洋です。
新日本フィルのオーケストラでの演奏会は続き、旅も続く。
6月は盛岡公演、佐世保公演、可児公演と地方を巡り、最近うちのオーケストラのクラリネットに入団したマルコス・ペレス・ミランダ (Marcos Pérez Miranda)君と一緒に公演前、盛岡市内を散策し、史跡を巡ってから、盛岡名物わんこそばにチャレンジ!
彼も僕も75杯くらいくらいでダウン。軟弱ですが、公演前なので程々に。マルコス君はかなりこのカルチャーに衝撃だったようです。なかなか終わらせてくれないお店のスタッフたちもプロ。かないませんでした。
ここ最近続くオーケストラで吹く日々の公演。
常にベストを尽くして向上心を持って演奏し続けるのは至難の業ですが、僕らはどこでも演奏し続ける以上、毎日技術磨きに精進し日々努力のみ!
心の許せるたくさんの音楽仲間とともに人生を謳歌中です。
共演者との絆(荒川洋) ― 2014/07/04 09:02
こんにちは。フルート奏者の荒川洋です。
毎日何かを必ずやらないと気が済まない性格の僕は、演奏会や指導以外でもいろいろ動き回っています。
きっと子年だから、性分としてじっとしてられないんじゃないかなと思っていますがどうでしょう。
時間があると調べ物をしていたり、曲書いたりしていますが、「生きる事」即ち「表現する事」。日々の経験から得られない物はないと思います。
楽しい事、辛い事すべて人生なんだなと常々感じます。
写真は先日一緒にその「表現する」事のお手伝いをしてくれた宇根美沙惠さんとの1ショット。
昨年彼女と、オリックスの宮内会長のご自宅でサロンの演奏会をさせていただいたときにもご一緒した事がきっかけで、僕の特集が日経新聞文化面一面に記事になりました。
そんな縁で彼女とも今年も演奏会をやりました。今回も素晴らしい演奏をありがとうございました。
たくさんの音楽仲間がいますが、一人一人何か音楽の絆で結ばれています。それを聴いた人たちも音楽で繋がる。本当言葉を超えた素晴らしい伝達ツールだなと日々感じます。
10月のせんくら公演は中川賢一さんとのコラボもあります。どんな「表現」を二人でできるか今からとても楽しみです。
乞うご期待ください!
東京の夏、N響の夏(舘野泉) ― 2014/07/08 09:12
6月15日から7月3日までドイツとチェコの演奏旅行をしてきた。
チェコではカルロヴィ・ヴァリーのオーケストラとラヴェルの左手のためのピアノ協奏曲を共演。
このオケは今年創立180年を迎えたそうで、弦楽器群は非常にいい。
指揮者は常任のフランス人、マルティン・レベル。
丁度50歳を迎えたばかりで、非常に安定した指揮ぶり。
作品全体の見通しがよく、一緒に共演するのがとても気持ちがよかった。
ドイツではまずヴァーレン市でリサイタル。
そして6月25日にベルリンフィルのホールでヴァーレンとはまた違うプログラムでリサイタルをした。
これは東京とベルリンが友好都市となってから20年の記念として行なわれ、ベルリン・フィルも共催者として名を連ねていた。
千人収容のホールに聴衆は八百人。
プログラムはバッハ、スクリアビンのほかは光永浩一郎、吉松隆、近藤浩平、cobaと、この4年ばかりの間に作曲された邦人作品で、決して聴衆に馴染みの深いものとはいえなかったが、最後は全聴衆総立ちのスタンディング・オーベーションとなり、私自身も胸が熱くなるのを覚えた。
今年は第一次世界大戦が勃発してから丁度百年。
世界では勿論のことだが、特にヨーロッパ諸国ではそれを思う行事が数多く催されている。
ラヴェルの左手のためのピアノ協奏曲もまた、第一次世界大戦に従軍して右手を失ったパウル・ウィットゲンシュタインの委嘱を受けて書かれた。
私も今年から来年にかけて東フィル、N響、札響、日フィル、京響、仙台フィルなどと演奏していくことになっている。
まずは7月18日から20日までN響と東京、大阪、松山で。
2014年7月18日(金) 19:00 NHKホール
N響の夏
指揮:レオ・フセイン/NHK交響楽団/ピアノ:舘野泉
ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲
N響ガイド TEL:03-3465-1780
2014年7月19日(土) 16:00 ザ・シンフォニーホール
N響の夏大阪公演
指揮:レオ・フセイン/NHK交響楽団/ピアノ:舘野泉
ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲
キョードーインフォメーション TEL:06-7732-8888
2014年7月20日(金) 19:00 ひめぎんホール
第16回 NHK交響楽団松山定期演奏会
指揮:レオ・フセイン/NHK交響楽団/ピアノ:舘野泉
ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲
NHKサービスセンター TEL:089-921-1159
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