ベートーヴェン 3(横山幸雄)2014/10/02 08:45

僕にとってベートーヴェンとショパンは重要な作曲家であり、活動の2つの柱といえる。ショパンが友人のような親しみを感じる作曲家であれば、ベートーヴェンは神のような存在であり、強靭なエネルギーを感じる。ベートーヴェンの旅は2020年まで、「ベートーヴェンプラス」シリーズで毎年テーマを持って取り組んでゆく。そして今や5月の連休の恒例ショパンは、ショパン生誕200年の2010年からスタートさせて、来年は6回目となるが、この企画の発想のもととなったのは、そもそも、2005年にジャパンチェンバーオーケストラと演奏したベートーヴェンの5つのピアノ協奏曲を一気に演奏したことにあるから、やはり、ベートーヴェンとショパンは僕にとっては、幼い頃からどこかで繋がっていたのだろう。

今回のせんくらでは、昨年までのショパンに引き続き、ベートーヴェンのピアノソナタをプログラムにした。「悲愴」と「月光」と「テンペスト」は子どものころから演奏し、デビューしてからこれまで数え切れないほどリサイタルのプログラムに取り上げて、その都度作品の奥深さを感じている。「ワルトシュタイン」も長年弾き続けている作品で、小学5年生のときに第1楽章を演奏したが、弾いていてただただ楽しくてしかたなかった。そして、「熱情」はパリに留学してから学んだが、CDに2度の録音で取り上げた思い入れのある作品だ。

ベートーヴェンが好きな方にはもちろんのこと、僕のショパンを気にいってくれた方には是非とも、せんくらで僕のベートーヴェンを聴いて、音楽のもつエネルギーを感じてもらえれば嬉しい。


横山幸雄

ベートーヴェン 2(横山幸雄)2014/10/01 09:07

ベートーヴェンの作品は、1998年~99年に作品番号のある全ピアノ曲に1年かけて取り組んだ。昨年からスタートした「ベートーヴェンプラス」では、それ以来取り出す作品も多い。今回の「初期のソナタの諸相」でも時間をかけて作品に寄り添うべく練習の日々を重ねた。ベートーヴェンの若い、まだ耳の病にかかる前に書かれた作品はそれぞれに、異なる個性を持ち、異なる輝きを放っていて、確かにこれから華となる熱情ソナタや悲愴ソナタなどの大作を生み出してゆくひたむきさがある。スタンディングオーベーションにこたえてアンコールには、悲愴ソナタの第二楽章をえらんだ。ベートーヴェンが耳の病に不安を持ちはじめる葛藤の時代に書かれた作品であり、来年のシリーズのプログラムの中心に置かれる作品のひとつとして。あとのプログラム構成はこれからのお楽しみだ。


横山幸雄

ベートーヴェン 1(横山幸雄)2014/09/30 14:42

ベートーヴェン生誕250年の2020年にむけた企画「ベートーヴェン・プラス」を東京オペラシティコンサートホールで昨年からスタートさせた。Vol.2の今年は9月23日に「初期のソナタの諸相」と副題をつけて行われたばかり。「ソナタ」をキーワードにして、ベートーヴェンの1番、2番、3番、4番のソナタに、2つのロンド(Op.51)、失われた小銭への怒りの愛称で知られる(ベートーヴェンがつけたわけではないが)ロンド・ア・カプリッチョ、それに、ソナタ19番、20番を演奏。そして、コンサートの後半部分にプログラムした「プラス」部分には、いずれも最初のソナタである、ショパンの第2番、ブラームスの第2番、そしてコンサートの最後には、シューマンの第1番のソナタを演奏した。もちろん、普通の2時間の演奏会におさまるはずもなく、開演11:00 終演は17:00近くになった。ショパンもブラームスも2番であるが、最初に書いた作品はこの2番のほうである。

僕はプログラムの構成を考えている時がとても楽しい。ベートーヴェンプラスの今回の演奏を聴いて、皆さんが音楽の素晴らしさや面白さを感じたり、思いもよらない発見をしてくれたら嬉しいのだ。


横山幸雄

秋晴れ(西江辰郎)2014/09/29 12:12

坂野さん、福田さんとの合わせも近くなってきました。
一人で練習しているのと、一度合わせをしてからでは
見えてくるものも違うので楽しみです。

新日本フィルは9月の定期公演や特別公演、10月には五嶋みどりさんやゴールウェイとの共演もあります。
11月にはチェロの上森君やピアノの菊地君との共演なども控えています。
今年の秋も盛りだくさん。

そろそろ秋晴れの続く気持ち良い季節ですね、皆様もどうぞ自愛下さい。

いよいよせんくら2014!
お会いでき、演奏を聴いていただけるのを楽しみにしています!

西江辰郎
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《これまでのせんくらブログ》
せんくら2006
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せんくら2008
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せんくら2009
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せんくら2013
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若い証拠(西江辰郎)2014/09/28 16:19


もう一つの公演では下記のプログラムを組ませて頂きました。
56 公演日時
10月5日(日)10:45~11:30
会場/ホール 
日立システムズホール仙台(青年文化センター)/パフォーマンス広場
出演者
西江 辰郎(ヴァイオリン)
坂野 伊都子(ピアノ)
ヴィターリ:シャコンヌ 
ドビュッシー:美しき夕暮れ
サン=サーンス:ヴァイオリン・ソナタ第1番 ニ短調

パフォーマンス広場といえば、アマチュアオケや学生、ジュニアオケなどの
こどもたちも練習している想い出の場所です。
響きが多いので、そこで演奏するにふさわしいと思う曲を組んでみました。
ヴィターリのシャコンヌはオルガンと演奏しても最高ですし、
ドビュッシー、サンサーンスは響きを味方につけた表現が可能です。

朝からにも関わらず嬉しいことに完売になっていますが、
皆さんに楽しんでいただけたら幸いです。

今年に入り、2回ほど新しいCDの発売の為にマスタリングという作業をしています。(写真は今年の編集時のもの)
時間のかかることですが、そのようなところからも学べるところが沢山。
例えば人間の耳の聞こえ方だったり、瞬間的な音と持続した音の感覚の差、
自分自身の癖だったり、新しい用語や、システムや何だかんだ、知らない事がいっぱいで楽しいです。

欲しい物も沢山あります。
ストラディヴァリにグァルネリウス、家に、車に・・・スコアに、電化製品。
家具に・・・・きりがないですが、欲しいものがたくさんあるのは精神的に若い証拠だそうです。
という事で、他にも欲求や何か、とにかくたくさんあるのですが、
良しとしようと思う今日この頃です。

西江辰郎
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