ホアキン・トゥリーナとの出会い(西江辰郎)2014/09/27 16:18


皆さんこんにちは!
今年もせんくらでお会いでき、演奏を聴いていただけるのを
楽しみにしています。

せんくらが開催されるようになって早9年、
今年は10月4日と5日の2公演に出演させて頂きます。

【50】《せんくら・スペシャル・ガラ》
慶長慶応使節スペイン到着400年記念!スペイン名曲コンサート
10月4日(土)14:45~15:45 では

「スペインもの」という条件付きの企画が持ち上がりました。

スペインといえば、フラメンコ、赤、闘牛、など色々思い浮かびますが、
作曲家ではいかがでしょうか?
ファリャ、グラナドス、ロドリーゴなど有名な作曲家がたくさんいますが、
今回私はホアキン・トゥリーナのヴァイオリン・ソナタ第2番を演奏します。

初めて彼の作品に出会ったのは高校の頃で、「闘牛士の祈り」という曲でした。
特徴のある作風で、評価されている、されていないにかかわらず、いつか演奏してみたいと思ったのを覚えています。
2002年に仙台フィルのメンバーと初めてこの「闘牛士の祈り」を演奏し、また新日本フィルのメンバーとも2010年に演奏しました。

ですので、スペインの作曲家と聞いて、トゥリーナのヴァイオリン・ソナタはないのだろうかと考えたのは、私にとってはごく自然な流れで、案の定、期待通りの作品でした。
この作品を坂野伊都子さんとの共演で聴いていただけるのを楽しみにしています。

そして、スペインといえばギター!
福田進一さんとの初共演です!
ここでは 
ファリャ:「7つのスペイン民謡」より ホタ、ナナ、ポーロ
をご一緒させて頂きます。

歌の部分をヴァイオリンでどのように表現できるかが、課題です。
もうすぐですね!

明日は10月5日の公演について書こうかと思います。

西江辰郎
http://homepage3.nifty.com/nishie-tatsuo/

コンチェルトの愉しみ (山田和樹)2014/09/26 11:11


一公演目:
・ショパン/ピアノ協奏曲第1番(牛田智大さん)
ピアノの詩人と言われたショパンの協奏曲だけあって、ピアノの超絶技巧が光る曲になっています。オーケストラは控えめに書かれているのですが、それでも演奏には繊細な神経が要求されます。若さ溢れる牛田さんの瑞々しいショパンに期待大です。

ニ公演目:
・シューマン/チェロ協奏曲(山崎伸子さん)
今回、僕のたっての希望が叶い、山崎さんと仙台で共演できることになりました。山崎さんの奏でる音楽はどこまでも深く、独特の温かさがあります。僕はすっかり山崎さんのファンになってしまい、今回の共演に繋がりました。
決して派手な曲ではないのですが、ソロもオーケストラもその内面性が問われる名作です。

三公演目:
・モーツァルト/クラリネット協奏曲(ダヴィット・ヤジンスキーさん)
モーツァルト晩年の傑作。一音一音が宝石のようで、いつも演奏中には時間が過ぎ去っていくのをもったいなく思う曲です。僕が震災後に初めて日本で演奏した曲目でもあるので、特別な想いもあります。仙台フィルの誇る名手、ヤジンスキーさんの妙技に注目です。
・ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第5番「皇帝」(小山実稚恵さん)
言わずと知れた名曲「皇帝」。オーケストラが冒頭に奏でる和音で、いかに風格を出せるかが指揮者の腕になってきます(自分へのプレッシャーになってしまいますが)。小山さんとは過去に2度共演させていただきましたが、ベートーヴェンでご一緒するのは初めてになります。「皇帝」という名曲にどのようにアプローチなさるのかとても楽しみです。

四公演目:
・モーツァルト/ピアノ協奏曲第25番(ヴァディム・ホロデンコさん)
ホロデンコさんとは仙台フィルの定期演奏会でもご一緒して、その模様はCDでも発売されています。彼独特の音楽観と世界観がどのようにモーツァルトの音楽と化学反応を起こすのか、一ファンとして楽しみで仕方がありません。彼ならではの繊細なピアニズムが聴かれるでしょう。
・メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲(松山冴花さん)
名曲中の名曲。魅力溢れる冒頭を「窓を開けたら闇が入り込んできた」と形容した友人がいました。華麗さから物悲しさまで、叙情性がたっぷり詰まった作品です。松山さんとは初共演。ホロデンコさんも松山さんも、仙台国際音楽コンクールの慧眼を証明する存在と言えるでしょう。

五公演目:
・サラサーテ/カルメン幻想曲、ツィゴイネルワイゼン(大江馨さん)
両曲共に、ヴァイオリンの超絶技巧が要求されます。お馴染みのメロディーがどのように展開されていくのか、若きヴィルトゥオーゾ・大江さんの姿から目が離せなくなるでしょう。
”第九”と共に「せんくら」フィナーレを飾るのにふさわしいプログラムです。

素晴らしいソリストの方々とお送りする”協奏曲づくし”とも言える「せんくら」公演、皆さまに会場でお会いできるのを楽しみにしています!!


山田和樹

3日目(松坂優希)2014/09/26 08:55

皆様、こんにちは。

松坂優希です。

 

先週末、仙台にてピアノフォーラムという音楽祭が開かれ、受講してきました。

オリヴィエ・ガルドン先生、菅野潤先生、ヨハン・シュミット先生、庄司美知子先生……と国内外で活躍する4人のピアニストの方々からそれぞれ素晴らしい講義を受けることが出来、また常に豊かな音楽溢れる環境に身を置く事で、非常に充実した4日間を過ごすことができました。

指先や腕の使い方を工夫し使い分けることで音色に幅を持たせる方法や、細かなペダリングの技術。また、表現方法によってより適切な指遣いを使用する重要性についてなど、一人で練習していると見落としがちな問題点に気づくことができ、目から鱗の発見の連続でした。

改めて、大人になってからも常に刺激を受け、自分の演奏を客観的に捉えることの必要性、そして、学びの姿勢を持ち続けることの大切さを実感しました。

 

            フォーラムコンサートの様子

 

せんくら本番まで、いよいよ残り1週間。

注目の公演が目白押しですが、私が出演させていただく「宮沢賢治の聴いたクラシック」も、音楽ファンの方にも文学ファンの方にもお楽しみいただける、大変興味深い内容になっているかと思います。

神田将さんの素晴らしいエレクトーンと萩谷さんのお話も見逃せません。

 

            公演出演者3人

 

ちなみに余談ですが。

萩谷「ゆきこ」さんも神田「ゆき」さんも私(松坂「ゆき」)も、

名前にみんな「ゆき」が!偶然の一致にびっくり!

 

台風のシーズンではありますが、雨ニモマケズ、風ニモマケズ、ユキトリオで頑張りたいと思います。



松坂優希



お祭り(仙台フィルスペシャルカルテット・小川有紀子)2014/09/26 08:50


さて、私の担当は今日が最終日。少しPRをして終わりましょう。せんくらのPRイベントがいろいろ行われている中でも、かなり最後の方の催し物になるのではないでしょうか。


9/28(
)ぶらんどーむ一番町(Forus前のあたり)で、「ばんぶらぁぁとふぇすた」というお祭りがあるそうで、そこで特設ステージによる、せんくらPRのミニコンサートがあり、ヴァイオリンの曲をご披露致します!

演奏は、
13:2013:5014:2014:50 の二回で、サラサーテのカルメン幻想曲や、アルベニスのタンゴなど、せんくらの今年のテーマ、スペインの作曲家を集めました。


しかも、ピアノと打楽器が入っちゃう(^O^)
カスタネットや他の小物もコラボレーション出来るかもと、計画中です。

ふらっといらっしゃいませんか?ワイン試飲とかあれば最高なんですが(^-^;

せんくらでも、コンサートの合間はロビーなどでお客さんに混ざってコーヒー飲んでいたりします。お気軽にお声がけください。
今年も会場でお待ちしています。

仙台フィルハーモニー管弦楽団

ヴァイオリン奏者 小川有紀子



スペシャルプログラム (山田和樹)2014/09/25 11:15


今回の「せんくら」二日目の10月4日は、三善晃先生が逝去されてからちょうど一年になります。

思えば昨年9月に仙台フィルと、三善先生作曲のヴァイオリン協奏曲を演奏(ソロは神谷未穂さん)したのですが、その直後にお亡くなりになってしまったのです。
僕が初めて三善先生の音楽に接したのは、高校の入学式で。校歌演奏で流れてきた前奏に、頭を殴られたような衝撃を受けたのを今も鮮やかに覚えています。それは完全に「校歌」という概念を越えた芸術性溢れるもので、それこそ三善先生が作曲されたものでした。

三善先生とお会いできたのは数回だけでしたが、毎回お釈迦様のような笑顔を浮かべられ、後光が射しているかのようなオーラを前に、僕は全く言葉を発せなくなってしまったものです。
三善先生の一周忌の日に、改めて追悼の想いを胸に、先生の合唱作品を演奏するスペシャルプログラムを組ませていただくことができました。
http://sencla.com/schedule/detail.php?id=58

この公演では大人だけでなく中学生にも演奏してもらうのですが、最後の「夕焼小焼」ではその全員で合唱をします。

戦争という明日生きられるかどうか分からない極限の時節を送られた先生にとって、真っ赤に沈む夕焼けは、生と死とに直結するものだったと思います。実際に三善先生は、夕焼けを目にすると一歩も動けなくなってしまう、ということがあったそうです。その先生の編曲された「夕焼小焼」は、時代を越え空間を越え、生と死をも越えて、宇宙的な広がりさえ感じさせる作品になっています。

大震災を乗り越えていこうとしている今、未来を担う若者達とこの曲で共演できることを特別に思っています。


山田和樹