平たい顔族によるルネサンスとバロック (高橋絵里)2014/06/19 09:40

こんにちは。再びソプラノの高橋絵里です。


突然ですが、先月「テルマエ・ロマエ2」を観に行ってきました。
公衆浴場を設計している古代ローマ人(阿部寛)が現代の日本にタイムスリップするお話です。
顔の濃ゆ~いローマ人(でも、阿部寛)が「平たい顔族」(日本人)に出会い、ジャグジーや泡風呂、温泉、果てはトイレにいたるまで、その技術の高さ(進歩?)にそれはもう驚いて、古代ローマに戻った時にそれを奇抜なアイディアで再現するわけです。

今回私たちは「イギリスとフランスの古い歌」というタイトルでコンサートしますが、「古い」というのは音楽用語でルネサンス時代、バロック時代の頃を差しています。

約15世紀頃から18世紀くらいまでのこの時代、各ヨーロッパの国々で芸術の文化が花開いていました。

その当時の人々が、もし私たちのコンサートにタイムスリップしてきちゃったら、さぞビックリするでしょうね!
テレビもねェ、ラジオもねェ、車もぜんぜん走ってねェ」の時代の人たちが目にするのは、
地下を走る乗り物の駅前に建つ大きなコンサートホール、しかも地下の会場で歌っている「平たい顔族!」


その当時の人々がどんなふうに過ごしていたのか、知る手段は限られています。

私たちがタイムスリップして覗きに行きたいくらいです。
でも本から、あるいは絵画から、そして歌の歌詞から、人々が今の私たちとなんら変わりなく、嘆き、悲しみ、祈り、喜び、笑い、泣き、飲んで食べて生活を謳歌していたことがわかります。

人を愛する自分が好き、傷ついてもなお、嘆き悲しむ自分が好き!感情は神様からいただいた宝物、感情をフル活用しようじゃないか!という思いに満ちた、生きた音楽がその時代にはそこかしこにありました。

そんな人々の息づかいを演奏でお伝えできればいいなーって思っています。

「恐るべし平たい顔族!」と言われるように!

 

ちなみに「古い音楽」って、こんな感じの楽譜を使っています。歌詞は古語なので慣れるまでは大変です。

 

 



私の担当は今日でおしまいですが、引き続き「せんくら出演者ブログ」をどうぞよろしく。

良ければ私のホームページものぞいてみてください。

http://www.eri-sop.net

10月5日(日)の13:30、パフォーマンス広場でお会いできますように!!

 


高橋絵里



はじめまして・せんくら! (高橋絵里)2014/06/17 10:12


こんにちは。ソプラノの高橋絵里です。

このたび、リュート奏者の佐藤亜紀子さん(通称あっこちゃん)との共演で初せんくらを体験させていただくことになりました。
大好きなリュートの音色と共に、皆さんの前に立てること、とっても嬉しく思っています。


リュートってどういう楽器…?というのは、明日のブログ担当あっこちゃんにお任せし、今日は自己紹介をします。

現在、仙台在住の私は仙台生まれ、仙台育ちの生粋の仙台っ子。それがある日突然、オランダで人生初の一人暮らしがスタートしたのだから、びっくりです。
ルネサンス、バロックの時代の音楽を勉強したくて、びゅーんと飛んで行ってしまいました。

なぜオランダなんですか?とよく聞かれますが、私が師事したい先生がオランダ人でオランダの学校で教えていたから。
アムステルダムや、デンハーグの音楽院には「古楽科」と呼ばれる科があって、15世紀~18世紀の時代の楽器(古楽器と言います)を勉強する留学生がたくさんいます。

私はアムステルダムの古楽科の声楽部門で、それまで日本では知ることの出来なかったたくさんのことを、スポンジのようにじゅわーっと吸収し、2003年に再び仙台に帰ってきました。

それからずっと「仙台にいながらどんな活動ができるかな?」…と模索し続け、気がついたらもう10年!

リュートのあっこちゃんとは2009年に仙台で一度共演しています。写真はその時のもの。
最近は仙台にも少しずつ増えてきましたが、プロの古楽器奏者はそれほど多くなく、関東から演奏者を招いて演奏会することも多いのです。

仙台でも、もっともっと、この分野をやってみよう!と思ってくれる人が増えたらいいなあ…
という願いを抱いています。これから音楽を学びたいと思っている若い人は特に!
私たちの、ちょっとコアな世界に来てみませんか~?


次回は、私が私たちが取り組んでいる音楽のことについて書こうかと思います。
その前に、リュートのあっこちゃんのブログです。

ではまた!