偉大な先人なのにモーツァルトやベートーヴェンより影の薄い大作曲家とは?ハイドンの真価を世に広めつつある、鈴木秀美さんのオーケストラ・リベラ・クラシカ(萩谷由喜子) ― 2014/06/21 10:31
今、月刊『音楽の友』には、『指揮者の仕事場探訪』というレポート記事が連載されています。その6月号は、チェリストでもある指揮者、鈴木秀美さんの巻でした。
鈴木さんの仕事場にお邪魔して貴重な資料類、楽譜類をふむふむと見せていただき、興味深いお話をうかがったわたくしは、そのとき、鈴木さんが「ハイドン」という、モーツァルトやベートーヴェンの大先輩として交響曲と弦楽四重奏曲の基盤を整備した立役者でありながら、今ひとつ、その後輩たちに人気の及ばない、ちょっぴり気の毒な大作曲家の偉業を現代に伝えることに、いかに命がけで取り組んでいらっしゃるか、ひしひしと実感しました。
そんなこともあって、鈴木さんがハイドン作品の演奏を主たる目的として主宰されている「オーケストラ・リベラ・クラシカ」のコンサートを心待ちにしていました。
今回の定期演奏会は6月15日の日曜日、午後3時から、近年の定期演奏会場である、植野学園石橋メモリアルホールで開催されました。
前半は、モーツァルトの交響曲ニ長調K.196+121、モーツァルトと同時代にベルギーで活躍したファン・マルデレの交響曲変ロ長調、作品4-3。なかなか、中身の濃い曲です。
そして後半は、まず、鈴木さんのソロで、ハイドンのチェロ協奏曲第2番ニ長調。そのあとまた指揮者に早変わりして、交響曲第71番変ロ長調Hob.Ⅰ-71。八面六臂の大活躍です。さらにアンコールとして、現在では非常に珍しい、バリトンという当時の弦楽器にヴァイオリンとチェロが加わった「バリトン・トリオ」まで聴かせてくださいました。
バリトンの演奏は、鈴木さんの長年の親友であるライナーさん。さきほどまで、オーケストラのチェロを弾いていらしたのに、さっと楽器を持ち替え、世にも妙なる音色を披露。
指揮者として、協奏曲ソリストとして、三重奏曲のメンバーとして存在感抜群の鈴木秀美さんとのツー・ショット。
バリトンを弾いてくださったライナーさんとのツー・ショット。
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