ベートーヴェン 2(横山幸雄) ― 2014/10/01 09:07
ベートーヴェンの作品は、1998年~99年に作品番号のある全ピアノ曲に1年かけて取り組んだ。昨年からスタートした「ベートーヴェンプラス」では、それ以来取り出す作品も多い。今回の「初期のソナタの諸相」でも時間をかけて作品に寄り添うべく練習の日々を重ねた。ベートーヴェンの若い、まだ耳の病にかかる前に書かれた作品はそれぞれに、異なる個性を持ち、異なる輝きを放っていて、確かにこれから華となる熱情ソナタや悲愴ソナタなどの大作を生み出してゆくひたむきさがある。スタンディングオーベーションにこたえてアンコールには、悲愴ソナタの第二楽章をえらんだ。ベートーヴェンが耳の病に不安を持ちはじめる葛藤の時代に書かれた作品であり、来年のシリーズのプログラムの中心に置かれる作品のひとつとして。あとのプログラム構成はこれからのお楽しみだ。
横山幸雄
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